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February 10, 2005

横山光輝版「項羽と劉邦」

 やっとこさ、横山光輝版「項羽と劉邦」を読み終えました。

 力、山を抜き 気、世を蓋う
 時に利あらず 騅、ゆかず
 騅、ゆかざる 如何すべき
 虞や虞や   若(汝)を如何せん

 何年かぶりに読みましたよ、このフレーズ。
 高校時代の漢文にもあったような。あの頃もう少しこの辺の本読んでりゃよかったなぁ。当時横山版は世に無かったかもしれないけど。司馬遼太郎版「項羽と劉邦」を読んだのも高校卒業後だったような気がします。考えてみれば遅すぎる。中学生の頃読めよって感じ。遼太郎(息子)には早く読ませよう。
 さて内容。良くも悪くも、横山版は項羽が主人公で、劉邦は脇役ですね。タイトルを「項羽」としても良いくらい。
 項羽は、部下の意見を聞き入れず、また恩賞が公平でなかった。劉邦は逆に、部下の意見を取り入れ、ケチケチせず恩賞を与え、人間的魅力があったから部下が集まり、幾度負けようとも最後には天下を取れた。…って言うのが、まぁ、項羽と劉邦の一般的なイメージだと思うのですよ。しかしながら横山版は、劉邦は居ても居なくても関係ない。項羽に対するアンチテーゼとしてそこに存在すれば、それでかまわないという感じ。確かに恩賞の手厚さなどは史実でもあるので描かれていますが、劉邦の人間的魅力は全く描かれていないと思います。劉邦じゃなければならなかった理由、人々が「劉邦」を担ぎ上げた理由ってのは、語られていない。従って、劉邦というキャラクターに魅力が無い。性格上の問題はあったかもしれないけど、項羽の方が魅力溢れるキャラクターに描かれているような気がします。
 「時に利あらず」という言葉は、項羽の言い訳でしかない。もっと言えば「この期に及んでまだ気がついていないから負けたんだよアンタは!」と言いたくなるセリフじゃないですか。でも、横山版はどこか、本当に「ツイてなかったんだねぇ」と作者が言ってる感じ。横山光輝は、項羽が好きだったんじゃないかなぁ。晩年の劉邦の悪しきイメージがそのまま作者の感情となっているのではないでしょうか。
 「三国志」の時もそうだったけど、横山漫画を読み終わると「あーあ、読み終わっちゃった」みたいな寂しさが漂います。ということで次は横山版(山岡宗八原作だけど)「徳川家康」を読み始めてます(笑)。

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