MOONLIGHT MILE 10巻
さて、待ちに待った10巻。ネタバレ注意です。
宇宙をかつてのザイルパートナーであるロストマンに奪われた猿渡吾郎は、地上の「現場」に戻っていた。彼は宇宙に失望し、宇宙を見捨てていたのだった。逆に吾郎の恋人、池内理代子はISA日本代表として月に向かう。そこは超大国アメリカの意のままに動かされる世界の縮図が展開されていた。次世代エネルギーの利権を奪い合う各国の思惑の中、日本はアメリカに見捨てられ、窮地に追い込まれようとしていた。ところが理代子のお腹の中には吾郎の子が宿っており、史上初のムーンチャイルドとしての立場が日本の起死回生の切り札となりつつあった。しかし…てな感じ。
相変わらず面白い。吾郎が地上に降りている上、ドロドロとした人間&国際関係の話になっているので、今までのような爽快感はありません。しかし世界の中のアメリカの位置づけ、その未来予想、自己中心的なやり方の汚さなんかリアルで面白い。それに如何に理代子と吾郎が立ち向かっていくのか。周囲の動きはどうなのか。ムーンチャイルドの運命や如何に!…なんて。目が離せません。
この巻でアメリカは軍事力を背景に権力を剥き出しにしてきます。帝国主義マルダシ(現代もそうじゃんって話なんだけど)。ここで牙をむくのであれば、ISS等今までの国際協調路線って一体何だったんだろう。宇宙軍の創設を待ったダマシ政策だったんだろうな。そうすると各国のアメリカに対する感情は、単に権力に対する反抗心に留まらないと予想されたり。
それにしても、吾郎は宇宙を本当にあきらめたのかな?心の奥底では、虎視眈々狙っているかもしれない。ロストマンの今後の行動も気になります。
アメリカの権力顕示のシーンはなんとなく古代中国の権力者の行動と似てるな、と思ってみたり。秦の趙高(始皇帝没後の権力者)なんかの「馬鹿」話なんてピッタリ。
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