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March 06, 2005

巨神ゴーグと安彦良和

 2005年4月号のガンダムエースに、安彦良和の「巨神ゴーグ」に関するコラムが載っていた。曰く、「ゴーグ・ショック」。精魂込めたゴーグが全くウケなかったことに、かなり辛い想いをしたらしい。商品が売れずスポンサーに迷惑をかけ、サンライズ迷惑をかけ、スタッフに迷惑をかけた、といった内容が書かれている。ひっそりと放送がはじまり、ひっそりと終わった、という記述から視聴率も推し量れる。取材も途絶えたとあり、2ページにわたるコラムはどこを読んでも寂しさが漂っている。
 考えてみれば、ゴーグは安彦良和が原作、監督、キャラクターデザインを行っており、まさに安彦作品である訳だが、ガンダムやクラッシャージョウは確かに純粋な安彦作品とは言えないだろう(これら作品への参加をサンライズへの「貸し」「ご奉仕」と記載してるのはいささかショックを禁じえないが、とりあえずそれは置く)。未来少年コナンを意識したというが、コナンはまさに「宮崎作品」だ。ゴーグは、安彦良和のアニメーションというものに対する一つの挑戦であり、また「オレの作品だ!」という自負の作品ではなかったか。それでいて、周囲とケンカしながら自分の色として作り上げた作品が売れなかったら、そりゃショックだったことと想像される。
 放送当時、私は中学生だった。巨神ゴーグは毎週楽しみで楽しみで仕方が無い作品で、次週へのヒキが悔しいぐらいだった。「ああーっ、もう"また来週"かよッ」といった具合。主人公達の魅力、雰囲気のある島や敵キャラ、設定の細やかさ、そして物語の面白さ。そのどれもが私を惹きつけてやまない。当時、家にビデオデッキが無かったために親を恨んだものである。
 社会人になり、オタクとして秋葉原を徘徊するようになった頃、巨神ゴーグのLDをみつけた。26話を4回に分けて販売するという。化粧箱もそのうちの1回についていた。全部買えばBOX仕様である。ときめいた。あのゴーグがわが手に!また見れるぞ!!ということで当然全て揃え、きれいに化粧箱の中に納まっている。それは結婚し、子供ができた今も棚の中に納まっており、我が子には将来必ず見せたいアニメとして残されている。この作品は面白い。ウケなかったのは、オモチャを売ろうとする内容でなかっただけの事ではないのか(とても大事な事なんでしょうが)。
 コラムの最後に、声優、音響スタッフに不義理をした、心の借りになった、とある。録音スタジオに一度も顔を出さなったというのだ。そういう業界的な話はさもあろう。だがそこまでして絵作りに専念した巨神ゴーグは、サンゼンと輝く名作であると思う。この作品を世に出せた事で、そして今DVD化されるほど愛されているという事でその借りは返せているのではないかと、勝手ながら一ファンとして思う。
 安彦良和はアニメから手を引いてしまった。しかし今も世に漫画を送り出している。画力、構成力が衰えている訳ではない。いつか再び、安彦アニメが世に出てくることを待ち続けたい。

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