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June 13, 2005

人斬り龍馬

 これは面白い!
 新撰組隊士が何者かに次々に暗殺されていく。下手人はわからない。隊士が暗殺されている事実を外部に漏らさないために、会津藩へは「粛清した」という言い訳を使う近藤勇。だが暗殺はその後も続き、その結果近藤は多くの隊士を「粛清」していくハメになっていった。
 やがて一人の男が捜査線に浮かび上がる。男の名は才谷梅太郎。北振一刀流の達人、坂本龍馬のことであった…。

 坂本龍馬が北振一刀流の達人であるにもかかわらず、あまり剣を抜かない人であったことはよく知られている話だ。寺田騒動の際には終始剣を抜かず、拳銃を発砲して窮地を切り抜けている。そのようなエピソードなどから、「龍馬は本当に剣の達人だったのか?」「北振一刀流の目録は本物なのだろうか?」という議論が絶えない。剣よりテッポウの方が効率的なのだ、という説明は正直納得がいき難かった。
 龍馬が暗殺という手段を自ら実行したかどうか、は無論怪しい。いかにも物語という感じではあるが、龍馬の暗殺剣という着目のもとに構成された物語は今までに無いリアリティを持っており、面白い作品に仕上がっている。
 話は変わるが、絵も素晴らしい。アミカケの濃淡といい、ベタの使い方といい、陰影鮮やかである。こういう絵大好き。
 石川雅之という作家を今まで知らなかったが、これは損失だったなぁ。今後追いかけて行きたい人だ。

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