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August 27, 2005

台風には勝てない

 鉄子の旅4巻と、今回の台風で思いだした。
 台風に突っ込んでいかなければならない電車旅、というのには思い出がある。

 もう10年以上前の話。実家福岡に新幹線で帰省しようと、東京駅のホームで1時間並び、ひかりの自由席に乗り込んだ。暫くすると雨が降りだした。台風が接近していた。
 雨を切り裂く新幹線。乗車率100%を超えた車内はそれでも平穏であった。この先の地獄も知らず、のうのうと車窓を眺めていた。
 新大阪を出た後、車内放送がかかった。広島で折り返すとの内容であった。そんなことを言われても復旧をただ待つしかない。その頃は独り身であったし、何とでもなると思った。とりあえず行けるところまで行こうと、広島を目指した。
 広島駅は人で溢れていた。立錐の余地もないほど、人で溢れたホーム。払い戻しをする人々と怒号。トイレに並ぶ7,80mほどの行列。売り切れて何も売っていない弁当屋。閉められた立ち食い蕎麦屋。…屋根にぶつかる風と雨粒の音が響き渡っていた。
 今でこそ中国地方には幾人もの友人知人が居るが、当時は知り合いなどおらず、とりあえず駅で時間を潰すしかない。トイレに行きたくなかったが「どうせ待ってる間にもよおすに違いない」と1時間ほど並んだ。
 その後、小腹が空いたが店には何も売っていない。ホームの蕎麦屋を覗くと「あと20分ほどで店を開く」と言うので、誰も並んでない店に一人並んだ。私が立っていると、人が集まってきた。「やってるんですか?」「もうすぐ開くそうですよ」店が開くまでに50人ほどが背後に並んだ。
 食べ終わって店を出ると行列は遙か伸びており、逆にホームに少しスキマが空いていた。これ幸い。新幹線がやがて入線して来るであろうと、出入り口前の先頭に陣取り、2,3時間座り込んで電車を待った。
 やがて新幹線が入線してきた。その頃には背後にものすごい数の人々が並んでおり、階段には仕切りをしてそれ以上の人が登ってこれないようにしていた。
 トビラが開いた。私は一番に車内に飛び込んだが、2番目以降の人が来ない。2人が争い、詰っていたのだ(笑)。背後には怒号が飛び交っていた。やがて乗車率何%だかわかりゃしない状態で発進。そして九州入りした。在来線に乗り換えたとき、8時間遅れである旨の車内放送がかかっていた。車窓から青空がのぞいていた。
 要領が良かったんだか悪かったんだか。ヘトヘトの帰省の思い出である。

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