« 野島防波堤のザブトンガレイ | Main | ユリ・ゲラーがスプーン曲げで中東和平に寄与 »

November 30, 2005

おおきく振りかぶって

 正直に書く。今まで「おおきく振りかぶって」はアフタヌーン本誌を買っていながら読んでいなかった。
 しかし昨今、周囲で「おお振り」の評判しこたま高く、なんとなく読んでみる気になってきた。アフタヌーンを読み返せば良いのだが、途中抜けているところがある上、フと立ち寄った本屋に単行本の1巻~5巻が1冊ずつキレイに(5冊だけ)並んでいたのを発見、そのまま購入し、一気読み。そして止まらなくなり、単行本化されていない(部屋の端に山積みになっている)アフタヌーン本誌も最新号まで続けて一気読み。
 一言で言えば、こりゃ面白い。が、ちょっとなぁ、という部分もこれまた結構多く感じたり。

 ノーキャラクター(主要キャラはともかく)なのは個人的に大きくマイナスポイント。読みにくくなるのだ。アレ、これ誰だったっけ?と前のページに戻ってしまう事がある。
 また、三橋の性格でピッチャーに固執するというのには経緯説明があるものの矛盾を感じる。
 西浦高校チームメイトがあまりにも「いいひと」ばかりで、かつ精神年齢が高校生とは思えなかったりする。楽しそうであり、その集団に入りたいと読者に思わせるのだが現実的とは言えないだろう。
 しかし、作者が「高校野球」というジャンルを描こうとしているその表現、内容には非常に好感が持てる。試合の内容の細やかさと緊張感、心理描写はまこと素晴らしい。野球漫画(に限らずスポーツもの)は時間をかければかけるほど面白いと思う。ここまで時間が濃密に流れる野球漫画も少なくなった気がする。(余談だが、昔のドカベンはそうだった。一球一球考えて投げるその背景が面白かった。しかし今やそういう場面は皆無と言っていい)
 ピッチャー、バッターそれぞれから見た投球の組み立て。スコアリングポジションにランナーを置いたときの豊富な展開。スクイズするか、しないかの緊張感…。"フィルダースチョイス"なんてコトバ、漫画ではすげー久々に読みましたよ。

 物語として、今、西浦高校が甲子園に行けるほど強いチームとは思えない。意外な戦力を誇る三橋だが、それでも投手力が決定的に薄い。この先色んな壁にぶち当たりそうだが、それもまた今後「どうなるんだろう?」と期待してしまう。
 「ドカベン」の山田や岩鬼みたいな極端なキャラクターが出てこないという意味では、やや古い漫画だがちばあきおの「プレイボール」の様な野球漫画に近いのではないかと思う(いや、それでもずいぶん違うとは思うけど)。プレイボールも野球の面白さを感じる漫画だった。極端なスーパープレイ、スーパープレーヤーもまた漫画の面白さであるが、地に足の着いた展開もまた面白いと思う。
 また、現在サンデーで連載されている「最強!都立あおい坂高校野球部」と雰囲気が似ていなくも無い。どちらも1年生が中心であり、女性監督という設定などは現実に難しそうな共通設定なので比較される事も多いのではないか。甲乙はあえてつけないまでも、どちらもこの先盛り上がるだけ盛り上がって欲しい漫画である。

|

« 野島防波堤のザブトンガレイ | Main | ユリ・ゲラーがスプーン曲げで中東和平に寄与 »

「アニメ・コミック」カテゴリの記事

Comments

トラックバックありがとうございました。
「おお振り」はその青春くささが魅力だと思います。人によっては鼻につくでしょうが。

Posted by: 真知 | November 30, 2005 at 06:47 PM

>真知さん

 鼻につく、というほど否定的ではありません(^_^;)。ま、野球部の高校生が仲間を囲んでハッピバースデーと歌うかな?と思ったりしたもので。でもそういう仲間意識はいいもんだなぁと思って読んでます。
 おお振りや帯ギュなどを見ていると高校時代に戻りたくなりますよね…。

Posted by: 竜馬 | November 30, 2005 at 11:01 PM

おお振りはマークしてたんですけど
ヤサシイワタシ2巻
読んでのインパクトが強くて
恐くて手をだせずじまいなんですよ。

…進学するなら、
・トリバサ高校
・春風高校
今のお気持ちはどっち?

Posted by: MOON | December 02, 2005 at 04:46 PM

「ヤサシイワタシ」に比べたら、普通に読めるお話だと思いますよ>おお振り

でも、実は「ヤサシイワタシ」の方が好きだったりしますが。あの終盤の話の落とし方が快感で…あたしゃ、マゾか(笑)。

Posted by: KOH | December 02, 2005 at 07:25 PM

 ヤサシイワタシ…読んでませんでした。
 アフタヌーン引っ張り出してみようかな(^_^;)。

Posted by: 竜馬 | December 04, 2005 at 05:34 AM

ヤサシイワタシは、どことなく説教臭いのが嫌だった。むしろ、「家族のそれから」の方が面白いよ

Posted by: | June 04, 2006 at 05:11 PM

>Junさん

 「家族のそれから」お薦めですか。読んでみます。
 行動範囲の本屋にあるかな。Amazonが楽かなー。

Posted by: 竜馬 | June 06, 2006 at 08:39 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/79574/7391619

Listed below are links to weblogs that reference おおきく振りかぶって:

« 野島防波堤のザブトンガレイ | Main | ユリ・ゲラーがスプーン曲げで中東和平に寄与 »