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November 19, 2005

凍える早朝

 先日、仕事の区切りがあり、打ち上げの飲み会があった。その飲み会のメンバーを見るに「今日は電車で帰れまい」と覚悟していたが、やはり終電までには店を出る事ができなかった。
 3軒目の店を出たのが深夜2時すぎ。さてどうするか、4軒目行きますか、と残った人間の目線が飛び交った。しかし一部の人間は翌朝(7,8時間後)には仕事があるというので解散と相成った。私ともう一人はタクシー代ももったいないという事でカプセルホテルにもぐりこんだ。
 自宅へ向かう電車の始発は5時2分。2時間半ほど寝よう、寝過ごしてもまぁいいか、と思いながら仮眠。そして目を覚ました。時計は4時半前を指している。おお、俺ってすげえ。
 準備をしてチェックアウト。道を歩き始めると女の子が声をかけてくる。
 「マッサージしようヨ」
 「いらないよ。始発で帰るの!」
 「でも始発まで1時間以上あるヨ」
 「そんなわけ…あ」
 時計は何故か3時半を指していた。1時間間違ったよおい。カプセルホテルにはたった1時間強しかいなかったことになる。もったいないなぁと思ったが、それはこの先ジワジワと身にしみることになった。

 とりあえず女の子は振り払い(ほんとだぞ)、未明の町を歩いた。
 駅へ向かったがシャッターが閉まっているのみならず、電気すらついていない。仕方が無いので、すぐそばで煌々と明かりがともっているパチンコ屋の前で座り込み、文庫本を取り出し時間を潰す事にした。
 ケツが冷え、寄りかかった壁のために腰も冷えてくる。目の前の客待ちタクシーのおっちゃん達が羨ましく感じる。本は面白いがなかなか先へ進まない。ふと時計を見るがまだ4時を回った程度。チクショー失敗したなぁ、と本気で思う。そしてあと1時間もこの状態かよ、と考えたら座ってられるものじゃない。立ち上がり徘徊するとコンビニを発見。潜り込んだ。
 雑誌(モーニング)を立ち読みする。おうおうバガボンドはこんな展開に…なんて読んでいるとやがて時計は4時半になった。店を出ると駅の電気が点いていた。シャッターはまだ閉まっているがすぐに上がった。早速改札を一番にくぐり、ホームに上がった。約10分後、止まっていた電車のドアが開き、漸く柔らかい椅子に腰を下ろすことができた。
 5時2分。電車が走り出す。窓外に寒かった町が後方に去っていく。やがてウトウトと目をつぶった。
 気がつくと降りる15分前ほどの時間。よしよし寝過ごさないぞ。窓外に目をやると朝焼けが始まっていた。濃いオレンジ色が低く広がり、青空を侵食しようとしている。高空はまだ暗い夜空だ。濃いオレンジ色と青空のコントラストが素晴らしく美しい。オレンジと青の境い目はすこし白っぽく見え、わずかに雲がたなびいている。晩秋だってあけぼののやうやう白くなりゆくやまぎわは美しいのだ。
 やがて電車は自宅駅にすべりこんだ。改札を出ると恐ろしく冷え込んでいた。一番冷える時間であることは釣り人として理解しているが、今日はやたらに寒く感じた。空は既にオレンジが薄れ、白い空が頭上を覆い尽くそうとしていた。オレンジと青のコントラストの命運は短いということだ。今度は釣り糸の向こう側に見ることにしようかな。

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Comments

場所によるが、始発待ちは漫画喫茶いいよ。
うちも昨日飲み会だけど、2次会回避組は走って
駅まで逃げた。
ま、難しいよね。

Posted by: ある | November 19, 2005 09:01 PM

 漫画喫茶かぁ。そんなテもあるやね。探せばよかったよ。

Posted by: 竜馬 | November 20, 2005 06:38 PM

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