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March 16, 2006

操縦不能

 物語は北朝鮮外交官の亡命騒ぎに始まる。彼が日本に訪れるまでも、乗り込まれた飛行機がミグに襲われかかったり、スホーイに追っかけられたりと緊迫感がある。自衛隊のF-15がなんと頼もしく思えることか。
 北朝鮮外交官を乗せた飛行機はなんとか日本に着陸する。ところがその後、アメリカに彼を輸送する際に事件は起きるのだった。
 飛行中のボーイング747。ニッポンインター002便。成田発、ワシントン行。その機内で異常事態が発生する。
 機長が倒れ、副操縦士が操縦桿を握った。ところが彼の目の前で高度計、速度計などの計器が狂い始める。操縦不能かと思われたその時、訓練センターのシミューレーターに乗り込んだ人物からパイロットへコールがあった。シミュレーターを同じ設定にして、002便を誘導するというのだ。
 その人物は女性だった。過去にパイロットになることを挫折させられた人間だった。その人が今、上空を飛ぶ300余名の命を預かる事になったのだ…。

 地上からのサポートで空を行く便(シップ)を助ける。という発想はアポロ13に通じるかもしれない。現場(シップ)を地上で再現して、なんとかして助けよう、というところにそう感じる要素がある。アポロ13でも、足りなくなる酸素を作るために船内にある物品を使用して何とかしようということで、地上側で考えて指示を出す、ということがあった。
 そういった、事故を起こしている現場をリモート側でサポートするという発想は「スペースキャンプ」しかり、宇宙モノが多いかもしれない。そういう話は結構感情移入しやすい。「がんばれっ」と事故が起きている現場は勿論、それを支援する側に対しても「がんばれっ」といつの間にか応援している。そしてその協調、支援体制に美しさを感じるのだ。

 も。こういうハナシ大好き。大いに友人知人、この文章を読んでいる方々にお薦めするものであります。読め(<お薦めと言えばお薦めのコトバ(^_^;))。

 物語に、南糀谷にあるシミュレーター施設が登場する。正面ゲートを通過する主人公などが描かれている。まぁ架空の地名なんだろうが、個人的にはちょっと懐かしくリンクするところがある。
 東糀谷にある某航空会社のシステムを担当していた頃、その敷地内には飛行機のシミュレーター施設が存在していた。関係した訳ではないので、さすがにシミュレーターそのものを見た事は無いが、隣の棟にある電算センターで凍えながら作業していた事を思い出す(過去担当した施設の中では最も寒い電算室だった)。本を読み進む内に、主人公が出入りした(かもしれない)建物やゲートなどの状景が思い浮かんでいく。それもまた面白く感じた。周囲に何も無く不便な場所であった。出入りしていたパイロットやアテンダントの訓練生の顔を思い出したりした。

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Tracked on March 24, 2006 at 04:31 PM

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