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April 24, 2006

吉野家で見た風景

 カウンターに座り豚丼を喰っていたところ、対面のカウンターで焼き魚定食を食べているオヤジが、何か店員に「…やってくれ」とボソボソ言っている。発音が明瞭でなく、ついでの様に言っていたので聞き取れなかったが、店員も同じように聞き取れなかったらしい。
 それでも「はい?」と店員は再度聞こうとする態度を取ったが、オヤジは再びボソボソと「…やってくれ」と、聞き取りにくい声を発した。何をやってほしいんだ!とこっちが気になった。
 戸惑う店員にオヤジは嫌気が差したらしく、「出来ないならいいよ」とこれは明瞭に言ったのであった。忙しい店員はスミマセンとか言いながら奥へ入った。

 やがてオヤジは焼き魚定食を食べ終わり、「水」と店員に要求した。「少々お待ち下さい」と答えるのは先ほどの店員。ところがその店員は他の客の注文などに応対し、奥へ表へ出たり入ったり。店員が二往復するにあたり、みるみる不機嫌になっていくオヤジが見て取れた。まぁ、そういうこともあろうて。
 「もういいよ、お勘定」と不機嫌そうに言うオヤジ。ところが店員はすっかり水の事を忘れて、不機嫌なオヤジにドギマギしながら応対していた。お札を渡すオヤジ。お釣りを渡す店員。

 チャリーン。

 お釣りがオヤジの手からこぼれ、床下を転がった。
 「あっ、申し訳ありません」
 謝る店員。オヤジは黙って小銭を拾って店を出た。
 …それだけの事ではあるが、オヤジの不機嫌さは暫く続いた事だろう。そんな日もあるやね。

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