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July 03, 2006

<奈良高1放火殺人>父が週1、2回暴力 勉強の指導中に

 マスコミの犯人探し。

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 奈良県田原本町で母子3人が死亡した放火殺人事件で、殺人と現住建造物等放火容疑で逮捕された長男(16)が医師の父親(47)から、週1、2回の頻度で暴力行為を受けていたことが1日、分かった。弁護士の接見で、長男は「スパルタ教育の中で父から暴力を受けたことがある」と明かしており、県警捜査本部も、長男を追いつめた重要な要素として、暴力行為の実態解明を進めている。
 関係者によると、医学部進学に固執した父親は自宅で夜遅くまで自ら勉強を指導している時などに、毎週のように暴力を振るっていたという。ただ、竹刀など道具を使うことはなく、いつも素手だったらしい。
 別の関係者によると、暴力行為の他にも、長男が使っていたテレビゲーム機を取り上げて破壊したり、友人らの訪問中に長男に命じて勉強をさせることもあった。
 一方、長男が通う高校の保護者有志は1日、処分を軽くするよう求める嘆願運動を始めた。「彼の寛大な処分を嘆願する会」とし、同日あった学校の保護者説明会で、「嘆願書のお願い」と書いた用紙を配布。今月5日までに、嘆願書を同会あてに郵送するよう求めた。嘆願書は弁護士に手渡す予定という。
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 犯人は長男である。しかし、真犯人を探そうとする報道が始まっている。息子は追い込まれ、かわいそうだった。父親が悪いのだ、と…。
 恐らく、長男は精神的に追い込まれていたのだろう。一家五人のうち、血がつながっているのは父親だけであり、その父と確執があったと言う。ところが、放火は父親の留守時を狙った行為であった。継母と腹違いの兄弟は、彼の家族ではなかった、ということだろう。彼はどんなに父親に殴られても、父親が好きだったのではないか。振り向いて欲しかったのではないか、と思う。
 自分の家に火をつけ、恐らくは家人を焼き殺したであろう事を自覚し、誰も知り合いの居ない京都へ向かった長男の、その移動時の心境は如何なるものであったろうか。想像するだに薄ら寒い感覚に襲われる。かわいそうで、同情したくなる。

 だがしかし、長男は殺人者だ。世間的な空気は、父親にその罪の一部を着せ、彼自身が減刑される可能性を模索しているかのような印象を受けるが、それは現段階においては如何なものであろうか、と思う。
 長男を追い込んだ父親が悪くない、とは言わない。また、報道を言葉通り受け取ったとして、母親とも何かあったのかもしれない。しかし、7歳と5歳の弟妹は兄に殺されたのだ。人生をリセットしたかった、などと自分が被害者のような言動が許されていいはずが無い。

 家族が長男を追い込み、彼は自暴自棄となり、放火した。流れとしてはそうなんだろう。その追い込まれ方が焦点なのかもしれないが、3人の命を奪った事実は取り消しようの無い事実で、それこそリセットなど出来やしない。彼は、今からどこまでそれを自覚できるのだろうか。周りが彼に何を言っても、心の奥底ではリセットできた、と思っているのかもしれない。世間は彼に同情し、父親は嫌でも自分と向き合うこととなり、邪魔な継母とその子供はこの世から姿を消したのだ。
 嘆願書など書いてる場合ではない。

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Comments

私は、父の不在時に犯行に及んだのは、むしろ逆に、父に対しては間接的に危害を加えることすら恐ろしくてできなかった、という心理が典型的に表れていると感じました。
暴力による支配はしばしばそのような状況を生み出します。DVや児童虐待で、ひどくパートナーや親から暴力を受けているのに、そこから逃げ出せない、逃げ出したらもっとひどいことになる、という心理的縛りを受けている例は、多数あります。

この少年、どのようだったら、殺人を犯さなくて済んだんでしょうかね。
グレることすら許されない(そしたらもっとひどい暴力を受けるだろうから)。それなら、家出。あるいは自殺。
普通の方法で、こんな結果になる状況から抜け出せる方法が思いつきませんでした。私は。
同情はしないけど、せめて殺したのが家族だけですんだのはマシだったのかも、と他人の私は思ってしまったのでした。

Posted by: あずみ | July 03, 2006 at 11:57 AM

意見は色々ですねー。

私は「父に見せつけたかった」んじゃないかなと思いました。父親に精神的に危害を与えるというか
後悔させたかったんじゃないかなと。
母親や兄弟に可哀想と思いがあるけど、兄弟には母の愛があり本人には父の暴力だったなんて
なんだかなあと思います。

Posted by: ある | July 03, 2006 at 09:35 PM

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