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April 25, 2007

夜のピクニック

52  解説に直木賞がどうこうまで盛り上げて書いていたが、正直、これそんなに名作なんだろうか。

 導入当初から「これは大事な思い出作りなんだ」と言葉に出しすぎている。肝心要の「何で大事な思い出になるのか」「歩行際はどういう意味を持つのか」という歩行際の物語そのものについてはアッサリ描きすぎていて、キャラクターに感情移入も出来ない。読んでいてものすごく他人事なのである。
 言ってみれば、キャラクター達と一緒に歩いている気がしない。苦しくもない。「新幹線で走っている車窓から、キャラクター達が歩いているのが見えた」というぐらい遠い距離感であった。
 一人のキャラクターをもっとじっくり追い、心情や事象を追いかけて欲しかった。一度に大勢のキャラクターを出しすぎ、従って話が深くならなかったような感じだった。

 悩み事が話せる、なんてのは温泉旅館で徹夜で飲んでも同じことである。悩み事の内容と解決も、ふーん、という感じであった。距離感のせいだろうか。この大事なイベントの最中でなければならない本当の必然性があったのだろうか。

 雰囲気はよく伝わってくる。だが、それだけだ。これは作者の思い出話(+α)に過ぎないのではないか。感想文を読んでいるような気分に近いかもしれない。
 夜、若者が苦労しながらひたひたと歩きながら、悩み事を解決する。映画(映像)にするにはいい題材だったのではないか、と思う。

 うーん、ファンの人すまん。ネバーランドが面白かっただけに、また本屋大賞を受賞した作品だけに期待感が大きかったのねん。

 読み手の感性がおかしいという批判はもちろんごもっとも…なんだけど…。

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