オニカサゴが釣れているらしいってんで、小網代は新谷丸へ向かった。
今日の同行は、Yと会社の上司K部長。我が部に異動してきたんだけど、釣りが好きだってんで一緒に行きましょう、と相成った(会社の人と釣りをするなんて初めてですよ)。
Y部長は前日に電動リール(シマノ・電動丸3000/イカスペシャル)とビシ竿を購入するなど気合入りまくりであった。仕掛けもオモリも購入し、道具立て全てがおニューであった。
船はいつものように、意気揚々と布良沖へ。片舷12人も乗っており大盛況ではあったが、100m以上の水深に、しかも底を取りながらの釣り、オマツリ騒ぎが予想できた。
果たして、第一投から船中オマツリとなり、声の掛け合いとなった。それでも40cm前後のオニカサゴがあちこちであがり始める。オマツリをうまく避けた人こそ、オニカサゴGETのチャンスあり、という状況となった(いつものことか)。
幾度か立て返しながら、船中には大きなオニカサゴがあがっていく。私もYも、最大42,3cmほどのオニカサゴを筆頭に3匹ずつ釣った。だが、Y部長には受難であった。この日は結局、ボウズであった。だが、受難はそれだけではない。
新品の電動リールに巻かれた糸。PE6号、300m巻きであったが、この半分以上の160mを損失。根ガカリの際、船底にこすって100mを失い、その後オマツリの最中に60mを失った。計160mの損失。(結局全て新品に巻き換えたそうな)
ちなみに私にも受難が待っていた。私もオマツリの際、船底コスリでPE4号、60mの糸を切断して失い、更に竿の竿先2cmがポッキリ折れてしまったのだ。…はー。ため息。ワンピースロッドなのに。
仕掛け投入の際、遠方に投げるように指示があったが、どうもその際に竿先が巻き込まれたらしい。150号のオモリだけに、慎重さが求められたよ…うん。
――――事態はそれで終わらない。
さぁ、今日はそろそろ終わりか。と14時の時点で納竿。片付け、船を走らせようとしたときのこと。
ぶすんぶすん…と変な音の後、エンジン停止。ピーピーピーのアラート音が船中に響いたのだった。
漂流をはじめる船。おいおい、15中年漂流記かよ(24人乗ってるけど)。さっき最後の水飲んじゃったんだよなー…。
船長は船室の奥へ入り込む。10分も経ったろうか。船長が出てきて、エンジンスタート。ドルンドルンと、エンジンが高らかに復活した。オオと思うも、低速運転を開始。エンジンの回転数を上げられないらしい。
まぁ、低速なのはしゃーない。寝るしかないか、と皆アチコチで横になったり。しかし3、40分経ってもまだ洲崎を越えない。低速運転でないとマズイらしい。こりゃ何時に帰れるやらと、疲れ倍増の思いであった。
そして、最初のアラートから4、50分も経ったろうか。再びピーピーピー…ダメだこりゃ。 船長は再び奥に入り込み、またまたエンジンリスタート。一瞬動いたものの、今度はすぐにピーピーピー…船中にくらい影が、漂い始めたのだった。
「全員前へ行ってくれ」と船長の指示が飛ぶ。前に加重をかけると何かいいことあるのだろうか。なんだかUボートみたいだなと思いながら移動する。
前甲板に全員(23人ほど)が集まり、ジッと待つと、エンジン始動!しかも今度は止まりそうな気配はない。
まるで難民船の様相を呈しながら、船は北上を再開した。大型船の行き交う沖の瀬航路のど真ん中。ヘンな止まり方をして欲しくないのは本音であった。
やがて城ヶ島が見えて来る。それが少しずつ大きくなり、宮川公園の風車もはっきりと見え出した頃、迎えの船が待っていた。船宿の、別の船であった。
息子船長が窓から声を出す。「難民船みたいだな!」
皆、ゲラゲラと笑う。
船はロープに繋がれ、今までと比べ物にならないスピードで走り始め、やがて帰港した。行きの行程は1時間半。帰りに4時間弱、かかった。
港に小さなタンクローリーが待っていた。
――――ガス欠かよっ!
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