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August 30, 2013

風立ちぬ 感想

 風立ちぬ を観に行った。
 子ども向けでない、という話なので1人で行った。確かに、子供が観ても面白くないかもしれない。いや、大人が観ても、面白いと思うだろうか?自分としては面白くなくはないけれど、なんて言うか、抑揚に欠けるというか。そして泣けもしなかった。

 この物語は何が言いたかったのだろうか。
 厳しい時代背景の中、降りかかる試練に立ち向かいながら生きていく恋愛ドラマ…と書くと、歴史もののストーリーなんてほとんどこんな感じかもしれない(乱暴)。

 堀越二郎でなければならなかった理由は何なんだろう?という気がする。まぁ、それは宮崎駿が好きな世界だからと言えばそれまでなんだろうけど、例えば開発の苦労やブレイクスルーを追う訳でも無いし、主人公の周囲・時代の歴史的面白さを追うわけでも無い。物語の面白さ(或いはテーマ?)と主人公が飛行機づくりをしている理由に関係が無いと感じる。この時代を生きた人であれば、別にモデルは堀越二郎でなくてもいいじゃないかというほど、飛行機作りの要素が物語に対して希薄だ。この物語は飛行機を作る話じゃなくて、恋愛ドラマだ。まして、堀越二郎は実在の人物だけど、物語の中身は架空の話だ。

 面白くない訳じゃないよ?嫌いでも無いよ?でも、作った本人が泣くほどいい映画なんだろうか。こうなるとどうも、このエピソードもどこか宣伝と言うか、興行的なエピソードに感じてしまう。カリ城や、ナウシカや、ラピュタほど面白いか?そんなことはないだろう。

 あと、喫煙の件。
 確かに笑えるほど喫煙のシーンが多い。禁煙の学会がクレームを入れたくなる気持ちが分からないでもない。

 当初、表現の自由に対しクレームを入れるとは何事だ、と思った。世間の風潮もそのように報道されている。注目されるミヤザキアニメだからこそクレームつけたかったんじゃないか、などと思った。

 当時の時代を語る上で、現代の感覚で評価するな。
 喫煙シーンがダメだったら、コロシのシーンもだめだと言うのか。

 もっともな反論だと思う。難癖にすぎないと。

 しかしさすがに、結核のカミさんを横にしてタバコを吸ったのには驚いた。それも時代背景上、そんなもんだったんだよ!的な演出なのかもしれないが、本当にそうだろうか?
 タバコの煙が、(タバコを吸わない)周囲の人間の咳を誘発させるのはこの時代だって同じはずだ。結核のカミさんに発作が出る可能性を忘れるほど、堀越はタバコを吸いたかったのだろうか。手を放せないのはカミさんの我が儘であり、仕事と責任を負った堀越はタバコを吸うことによって仕事を続けられる(つまり正当だ)と言いたいのだろうか。これは、堀越二郎の人格を否定する演出と言って言えなくもないのではないか。まぁ逆に、それを許し合う夫婦愛、という意図なのかもしれないが。

 禁煙学会のクレームは、喫煙シーンが多いということで、喫煙場面そのものにクレームをつけている。これはお門違い、難癖だと、私も思う。或いはお門違いだが、まぁ言わせておけば?そんなの自由だし、面白がって(メシのタネとして)周囲が報道しているだけじゃないか。別にそんな言葉に耳を傾ける必要も無いじゃないか、とも思う。

 しかし、あのシーンは堀越二郎というモデルになった人に対して、敬意を表した表現と言えるのだろうか。そちらの方が気になった。この物語が、堀越二郎をモデルにしなければならないという必然性を感じなかっただけに。あまつさえ、実在の堀越二郎はタバコを吸わない人だったと言うではないか。

 宮崎駿は愛煙家だ。必然とか不要とかそういう議論以前に、喫煙シーンを演出上の表現として自然に扱っているにすぎない様に思う。もともと宮崎アニメは喫煙シーンが多いじゃないか。
 昔、未来少年コナンでも、ジムシーがコナンに友情の証として、タバコを渡し、一緒に吸うシーンがあった。そして、これがNHKだけに、子供の喫煙シーンとは何事かと怒られた、という話を何かで読んだ事がある。アニメージュ文庫だったか、ロマンアルバムだったか。

 相変わらずだなぁ、というだけのことなのかもしれない。

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